2023年1月から女性クローズドOC(オープンカウンセリング)を始めます。

女性クローズドOC

来年から今まで、月1回、土曜日でやっていた、OC(オープンカウンセリング)を女性クローズドで行います。

そこに至った経緯を少し書きたいと思います。

抑圧されている女性の怒りの感情

臨床をやっていて、女性の怒りの感情(特に男性から受けた暴力や理不尽な言動に対する)が深く抑圧されていることが多く、またそれが表現されづらいと感じていました。そしてその表現されない怒りが、様々な生きづらさ(身体症状、繰り返される対人関係の傷つき、低い自己評価、希望のない未来観)に繋がっていると思いました。

それは、女性はいつも優しくして、怒っていてはいけないというジェンダーの期待があって、それから外れることへの恐れや、怒っている自分が人からどう思われるかという不安あると思います。あと大きいのが、怒りを出すと、相手から(父、母、夫から)倍になってやり返されるという恐怖が大きいことがうかがえます。

抑圧された怒りが抑うつを生む

その怒りの感情の抑圧が、気分の抑うつと深く関係しています。抑圧された怒りは、翻って自分に向きます。自分が悪いからこう怒られるのだと理性では合理化してしまうからです。自分がいけないと思う罪悪感には処罰が伴いますので、それが抑うつ感情になります。(S.フロイトはこれを「抑圧されたものの回帰」といいました。)

グループでは、怒りの感情を安全に表現してもらい、その怒りはもっともだ、当然だと承認してもらうことで、初めて怒りが収まり、抑うつ感からも解放されていきます。

グループで性的虐待(SA)を扱う

あと重要なのは、性的な被害(SA、Sexual Abuse)をグループで扱うことに関してです。性被害がその人の人生に、大きな傷を与えていて、その傷に今でも悩んでいる参加者が多くいます。その体験はなかなか語られることが難しく、当然グループの中に男性がいると、語られることはありません。

しかし、そのトラウマは、安全に語られ、参加者メンバーから、ホールドされて、今まで苦しかった感情を共感されて癒されることを待っていますが、セラピストが男性ということもあったり、グループで話せる雰囲気でなかったり、中々語られることが難しいと感じていました。

また、語ろうとすると、恐怖感、恥の感覚、自分が悪かったのではないかという罪悪感、などの強い感情が襲ってきたリ、解離やフラッシュバックを起こしたりすることが多くみられて、性トラウマのセラピーをすることの困難をわたくしも感じていました。

それで、わたくし自身の職業的なチャレンジも含め(注1)、女性クローズドで、急がずに、参加者とセラピストとの信頼できる関係性を作り、安全な場所を作ることで、そのトラウマ、心の傷を解放していく場所を作らなければと思っています。

(注1)私は、社会人心理大学院(CSPP)時代、教授の西尾和美先生から「トラウマを扱えるセラピストになれ。」と教えられました。それゆえに、AC(アダルトチルドレン)を臨床で扱うということは、トラウマを扱うことで、特に性的トラウマは最もヘヴィーなテーマだと思っています。

語られない女性の性

また性的虐待だけでなく、女性の性も語られる必要があると思います。性的である自分を恥じ、抑圧することで、生きづらさにつながっていることは、S.フロイトの時代から変わっていないと思います。自分が性的に愛されたいという当然の欲求を承認していく必要があります。

品川区、JR大崎駅から徒歩5分の心理カウンセリグルームです

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