「お金がないのに、ギャンブルをやってしまう。」
「借金があるのに、パチンコ、スロット、オンラインカジノが止められない。」
ギャンブルを止められなくて、何回も生活苦になったり、家族に迷惑をかけていませんか?
家族にギャンブルの問題を抱えた人がいて、家族がどう対応していいか分からないと悩んでいませんか?
日常生活に支障が出ているのに、ギャンブルを止められないとしたら、それは依存症です。
依存症は、自分の意志では治らない病気です。また家族の助けで治せる病気ではありません。
ギャンブル依存症治療には、専門家の適切な治療と介入が必要です。
ギャンブル依存には心理カウンセリングが有効に働きます。
ここでは、ギャンブル依存症の特徴と治療法について解説をします。また、大崎セラピールームのギャンブル依存症に対するカウンセリング方法も紹介します。
目次
ギャンブル依存症とは
ギャンブル依存症とは、借金をしてまでギャンブルをやってしまい、負け続けても止められない依存症という病気のことです。
借金が膨らみ、その借金をギャンブルで勝って返済しようとしますが、さらに負けが込んでしまいます。返済できないほど借金が膨らんでしまい、最終的には弁護士に頼んで、自己破産するというケースが多く見られます。
ギャンブル依存につながる、代表的なギャンブルがパチンコとスロットです。
特徴的なのは、競馬やマージャンなど他人と関わっているギャンブルではそれほど借金は、かさみません。しかし、パチンコ・スロットになって、機械と対峙して他人が関わらないギャンブルにハマると一気に借金がかさんでいく傾向があります。
また、現代は、スマートフォンの課金ゲームやオンラインカジノに依存してしまうというケースも増えてきています。これらのギャンブルはスマホがあれば24時間いつでもどこでもできるため依存性はさらに強くなります。
ギャンブル依存症の家族への影響
ギャンブル依存症は本人だけの問題ではありません。家族を巻き込んで、パートナー(主に妻)、子どもたちにも甚大な影響を与えます。
家族(妻・親)の共依存
ギャンブルを止めさせようと、パートナー(妻)が奮闘します(お金を渡さない、借金のしりぬぐいをする、行動を監視しコントロール)。そのように行動を制限されたことによって、夫は反動から、ますます隠れてギャンブルにのめりこむようになります。
つまり、夫が自分で立ち上がる力を、妻が奪ってしまうことになります。
パートナー(妻)の方も、「こんなギャンブル依存の人の面倒を見るのはもうイヤだ」と思いながらも、夫の世話を止められません。このように、憎しみながらも離れられない関係を共依存と言います。
共依存をすることで、妻や家族(主に母親)が、依存症者の心配やお世話で、生活に追われることになります。夫のお世話で労力を使い切ってしまい、本来考えなければならい、自分の人生や家族の将来のことを考えられなくなります。
子どもたちへの影響
ギャンブル依存症を抱えている家庭は、両親がギャンブルによる借金のことで喧嘩が絶えません。子どもたちはそれを、日常的に目撃することで、安心や安全がない養育体験を過ごします。
絶えず両親の心配をして、情緒が不安定になったり、将来に希望が持てなくなったりします。
そして成人になっても、お金さえあれば人生は幸せになれるという、極端な思い込みをするようになります。過度にお金に執着したり、さらに、もっとお金を稼ぐために、ギャンブル要素の強いお金儲けの話に乗り、失敗をしたりします。
ギャンブル依存症の人が持つ心の特徴
依存症には性差があります。男性がなりやすい依存症が、ギャンブル依存症です。
男性が囚われる社会や世間の要請
ギャンブル依存症に男性がなりやすい理由の一つとして、社会や世間が要請する「男性はこうあるべきだ」という通念(ジェンダー、男らしさ)に、囚われているからと考えられます。
例えば、
「男は強くなくてはならない」
「男は負けてはならない」
「男はがんばって、努力して、苦難を乗り越えなくてはならない」
という信念が、男性には無意識に刷り込まれています。
そのため、勝ち負けにこだわっている男性は勝負事のギャンブルにはまりやすくなります。
パチンコやスロットで当ったときの陶酔感、自分だけが勝利の女神に微笑まれているという万能感、当たったときの優越感が忘れられず、ますますパチンコやスロットを止めることが出来なくなります。
ギャンブル依存症の原因
ギャンブル依存症になる原因は、様々考えられます。これが原因だと一つに特定することは困難です。様々な要因やきっかけで、依存症になる可能性があります。
ここでは代表的なものを解説していきます。
世代間連鎖
父親、祖父、叔父、伯父などに、ギャンブルの問題を抱えているパターンが頻繁にみられます。ギャンブル依存になる人の多くが、周囲にギャンブルを好む人がいるケースが多いです。
ギャンブルの問題だけでなく、それに付随するDV、うつ病、共依存関係、トラウマなど、依存症家族特有のコミュニケーションパターンが見られ、それ自体が世代間連鎖していきます。
なぜ、世代間連鎖がしやすいのかというと、依存症家族で育った子どもたちは、親たちのコミュニケーションを見て育ちますので、それが内在化されます。その中で育った子どもたちが大人になれば、自分の親と同じようなコミュニケーションをとり、親と同じような人生観、世界観を持つようになってしまうからです。
幼少期体験の影響
ギャンブル依存症の父親のいる家庭で幼少期を過ごすと、両親の喧嘩や暴力、経済的な不安定、借金の取り立てなどが日常化し、安心した家族生活を経験できません。
また、大抵は、父親の借金を返すために、母親が過度に働かないといけないので、子供の面倒を見られません。それによって子どもは、ネグレクト気味になります。
そのような家庭で育った子どもは、自分が愛されている、自分があるがままでいい、と感じられないで育ちます。
ギャンブル依存症の家庭で育った子どもは、自尊心の低い、自己評価の低いまま大人になります。
自分は負け組だ、という低い自己評価と、金さえあれば幸せになれるという極端な世界観を持ちやすくなります。このようなコンプレックスを晴らすために、ギャンブルは一発逆転を果たしてくれる機能を果たします。
依存症の治療、対処法
代表的なギャンブル依存症の治療法、対処法を紹介します。
12ステップ自助グループ
専門家を置かず、依存症当事者たちだけで集まり、12ステップと12の伝統というガイドに従い、自分の話をし、仲間の話を傾聴するというスタイルで依存症から回復していったのが12ステップの自助グループです。
ギャンブル依存症があつまるグループは、自分たちの寄付だけで運営し、GA(ギャンブラーズ アノニマス)と呼ばれています。
ギャンブル依存症を抱えた家族の自助グループもあります。(ギャマノン GAM-ANON)
12ステップの自助グループへの参加が代表的な治療法の一つです。
医療による治療
ギャンブル依存症はプロセス依存といわれるもので、病気ですので、医療の対象になります。
過度な興奮を抑える、気分安定薬が処方されたり、強迫性を抑える抗うつ剤が処方されます。
現在では、依存症を専門に扱っている病院があり、診察、集団療法、家族会、心理教育、カウンセリングなどのサービスを提供しています。
カウンセリングを受ける
依存症のカウセリングとしては、認知行動療法や解決志向型セラピー(ソリューション・フーカスド・セラピー)を行います。
認知行動療法では、ギャンブルをして得られる報酬(憂うつが晴れた、当たったときの陶酔感、自分だけに勝利の女神が微笑んでくれた万能感)を学習してしまっています。依存することと報酬を得ることの因果関係が出来ています。
日常の問題の解決法として、行動(ギャンブル)に依存することが不可欠になっています。
その誤って学習した、因果関係や、認識や行動、意識を、依存しないで切り抜けていくスキルを身に着けていきます。
解決志向型セラピーでは、「ギャンブルを止められたとして、どういう生活をしていますか?」と初めに目標を設定して、「それを行うには、今日何をしたらいいですか?」と目標から今を逆算していき、今日やる行動を決めていきます。
また、ギャンブル依存症を抱える、家族に対してもカウンセリングが必要です。今までの苦労をねぎらってもらい、本人に対してどう対応するのがいいのかを学んでいきます。
依存症に対する大崎セラピールームのカウンセリング
大崎セラピールームの、依存症に対するセラピーを紹介します。
家族の対応
男性の依存症者の多くは、病識が低く、本人が来ることは少ないです。最初の相談は多くは、家族の方(妻、母親)です。
まず、家族の対応に仕方について話をします。家族が過剰に本人のお世話(お金をコントロールしたり、行動を監視したりなど)をしています(共依存)。
本人の行動の結果の責任は本人に取らせるようにさせます。その際暴力など、身の危険がある場合は、警察を呼ぶ、逃げる場所を確保しておくなど、身の安全の確保をします。
本人の対応
12ステップの自助グループに参加してもらいながら、面接を行います。
止めたくても止められない病気ですから、セラピーではギャンブルを止める、止めないに囚われずに、本人が本当は何を欲しているか、ギャンブルによって、何を得ようとしているのかを話しあっていきます。
また幼少期の傷つき体験や、家族の連鎖(ギャンブルや暴力)についても話していきます。そこで身に着いたコミュニケーションのパターンや、考え方を、無理がある思考であれば修正していきます。
家族療法
本人と家族との面接を行います。大体は、本人も家族も、多くは、自分の本心が言えずに、コミュニケーションが空回りしています。
本当は何を伝えたいのか、本当はどう感じているのか、どうしてほしいのかを正直に、I(アイ)メッセージで伝えます。
グループ療法
幼少期に、親からの虐待体験があり、トラウマ体験を持っている方が、ギャンブル依存症の方に多く見られます。
癒しのためのトラウマワーク(嘆きの作業)をサイコドラマやエンプティチェアを使って、グループで行います。
ワークのなかで、傷ついた幼少期の自分と出会い、傷ついた自分に共感し、幼少期の自分を受け入れていきます。
メリット
セラピーが有効に働くと
・ギャンブルしない時間が長くなります。
・家族と穏やかな時間を過ごせます。
・現実的に将来を計画することができます。
効果
セラピーが有効に働くと
・再発までの期間が延びます。
・家族が自分を非難する時間が減っていきます。
・心の落ち着きを取り戻せます。
費用
依存症は一朝一夕で治るものではありません。長い期間を要することがありますが、ここでは概ねの概算として説明をいたします。
セラピストとの関係を作る期間(1~3回)、とセラピーがクライアントに有効かどうかを見極める期間(1~6回)を目途にしていください。(セラピーが有効でないと判断した場合は、他所の治療機関やセラピー機関を紹介します。)
それから、家族のコミュニケーションの修正、本人の行動修正(依存行動になるきっかけになるものを避ける環境つくり)、目標の設定をしていきます。(6~12回)
本人の傷つき体験の修復、癒しの作業、将来の人生の設定(6~12回)を行っていきます。
半年から1年間を目途として考えてください。
ギャンブル依存症に悩んでいる方、家族の方大崎セラピールームにご相談ください。
ギャンブル依存症は、男性の肥大化したプライドの問題です。その高すぎるプライドがあなた自身や、家族の人生を苦しめています。
負けを認めたり、現実を直視することは苦しいことかもしれません。
しかし、依存症は止めたくても止められない病気です。依存症を抱えた家族も大変傷ついていますし、子どもたちの心の傷を与えて、将来を生きづらい人生にさせてしまいます。
セラピーを受けることで、苦しいプライドの鎧を脱いで、肩の力を抜いた、自分らしい人生は送れます。そして家族や大事な人との親密な人間関係を作っていくことが本当は欲しかったものだと分かっていきます。
大崎セラピールームは、そのようなあなたらしい人生を送るお手伝いをさせていただきます。