「痴漢や盗撮、露出の性犯罪行為を止めたいけれど、止まらない。」

「何回も捕まっているのに、二度としないと誓っても、しばらくすると、またやってしまう。」

「まだ捕まっていないけれど、いつか捕まると思のではと、脅えているのに、ついまたやってしまう。」

「家族に、性犯罪を犯してしまった人がいて、家族がどう対応していいか分からない。」

本人も家族も、性倒錯(性犯罪)をどう防止していいか分からず悩んでいませんか?

性犯罪は、たとえ、被害者と示談になって、お金を払って免れたとしても、再犯する確率が高く、多くが逮捕され実刑になります。

「今まで順調に人生を歩んでこれた」、と思っても、性犯罪は自分の人生を転落へ導きます。

性犯罪行為は、依存症でもあるので、自分の意志の力だけで抑えることは困難です。専門家による適切な治療や予防が必要です。

それには、心理カウンセリングは有効に働きます。

ここでは、性倒錯(パラフィリア)(性犯罪)についての説明と、その対処法や大崎セラピールームが行うカンセリングについてご紹介していきます。

性倒錯(パラフィリア)とは?

常識的な性道徳や社会通念から外れた性的嗜好のことで、それら行為に対して強い性的興奮があり、その空想や衝動的な行動で、日常に支障をきたしていることを言います。

性倒錯(パラフィリア)は男性の病気です。
以下にあげる、性犯罪の行為者はほぼ男性です。ここでは、犯罪に絡む代表的なものを紹介します。

痴漢

専門用語では、窃触障害(せっしょくしょうがい)といいます。同意を得ていない人に触ったり、身体をこすりつけたりすることです。

痴漢行為は、多くが満員電車の中で行われます。反復強迫性強く、ほぼ毎日、朝・夕の通勤、帰りの満員電車で行います。また、イベントやお祭りがあり、その場所で、混みそうな電車を狙うこともあります。

痴漢をする男性の多くが、仕事をして、家族をもって、表面上は常識的な社会人を送っています。

盗撮、のぞき

専門用語では、窃視障害(せっししょうがい)と言います。

のぞきは、風呂場や脱衣所、性行為をのぞくことですが、多くが、エスカレーターや歩行中に、スマートフォンでスカートの中を撮ることや、女子トイレや女子更衣室にカメラを設置して盗撮をします。

露出

専門用語では、露出障害といいます。警戒していない人の前で、自分の性器を露出することで性的興奮を得ることをいいます。

例えば、露出者は車の中いて、その車のそばを女性が通る時に、自分の性器をさらし、女性がびっくりして声を上げたり、怖がったりすることに性的興奮を感じます。

場所は、路上であったり、自転車に乗っていたり、電車などの乗り物だったりすることもあります。対象は、思春期の女子学生に限られていたり、年齢関係なく女性だったりします。

また、だれもいない公衆便所で裸になることが止められなくて、裸になっているところを通報されるという場合もあります。

ペドフェリア(小児性愛)

現在、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川問題で話題になっていますが、思春期前の子どもに性的興味があり、子どもとの性的空想をしたり、性的衝動からで実行に移したりします。その対象は女の子の場合も、男の子の場合もあります。

フェティシズム(下着泥棒)

性的の対象である女性の、特定な部位(胸、足、口、毛髪とか)に性的興奮を感じる。また女性が身に着けている、下着や制服、靴、ハンカチなどに性的興味と興奮があり、それを収集します。

自分のお金でそれらのものを集めるのであれば、本人の趣味の問題ですが、それを盗んで(例えば下着)収集するとなると窃盗罪になります。

多くが、学校の更衣室に侵入して、女性生徒の身に着けているものを(下着や制服、靴下など)盗みます。

現行犯で捕まったり、防犯カメラに写っているために本人と特定されます。

性犯罪に対する法律の厳罰化

今まで性犯罪は、現行犯でなければ捕まりづらく(証拠が現行犯でないと実証しづらいため)、迷惑防止条例は各都道府県によって処罰が異なっていました。しかし、今年(2023年)に入って新しい法律が施行され厳罰化の方向に向かっています。

撮影罪

2023年7月から、撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)が施行されました。今まで盗撮は、各都道府県の迷惑防止条例が適応されていましたが、各都道府県で罰則が違っていたり、どこの都道府県で撮影されたのかが特定できないと処罰できないという問題がありました。

撮影罪が出来たことで、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」と統一されました。

監視カメラの設置

今では、あらゆる街頭、乗り物に監視カメラが設置されるようになりました。今までは、現行犯でしか捕まりづらかった性犯罪が、被害女性から、被害届が出ていると、現場の監視カメラから犯人を特定することが出来るようになりました。

もしその監視カメラに犯行が写っていて、警察に自分のデータがあったなら、ある日、警察が自宅に来て、逮捕される可能性が出てきました。

「その場で見つからなかったから大丈夫」、「逃げられたから大丈夫だ」ということはなくなります。このように、性犯罪を行うリスクが格段に上がってきています。

原因

性倒錯(パラフィリア)は何が原因なのか、未だに議論されています。なぜなら、性的な嗜好は、何が正常で、何が異常かは、時代やその国の習慣・文化によって大きく異なるからです。少し前までは同性愛も性倒錯に含まれていました。

ここでは、簡単に概要を説明します。

精神分析による解説

精神分析を創設したS・フロイトによると、乳幼児から幼少期の人間はすべて性倒錯だと考えました。

乳幼児は、母親の顔を見る事、つまり眼、母親に触れる事、つまり肌、次に母親の乳房、それを咥える口に快感を覚えます。次第に発達すると、排便をする肛門に快感を覚え、最後に自分の性器に快感が統制されていくと考えました。

母親の全体ではなく、体の部分部分に、性愛を感じ、それを咥えたり、出したりする自分の体の部位に快感を感じます。このように母親の体の部分に欲望が向かうことを部分欲動と言い、そのような子どもの性欲の在り方を多形倒錯質といいました。

子どもは、初めはみな性倒錯なのですが、それが親から躾を受けるうちに、不適切な性欲は禁止されることになります。成長に従って、それが統制されて、自分の性器にまとまっていきます。

これは子どもの発達段階と呼ばれるものです。そういうわけで、成人男子の性倒錯があるということは、子どもの多形倒錯が適切な禁止を受けないで、そのまま残ったものと考えました。

子どもの心理発達が、主に親との関わりが不適切なものがあり(虐待やネグレクトなど)、適切に行われなかったのではないかと考えられるのです。

親から禁止された性欲は、抑圧されます。それが、あまりに禁止・抑圧が強すぎると、神経症(ヒステリー)になることを発見したのがS・フロイトでした。

ですので、S・フロイトはそのことを「神経症は性倒錯のネガである。」といいました。

〈参考文献〉
・小此木啓吾、人類の知的遺産56「フロイト」p243~258、講談社、1978年
・S・フロイト、フロイト著作集5「性欲論」p7~94、人文書院、1969年

性被害者

性犯罪を行った人の、かなり数の人が、幼少期や思春期に、性被害を受けていることがあります。

加害者は、幼少期の時は、父親(継父)、叔父、兄、いとこなどの家族内の人間で、思春期では、部活のコーチ、教員、先輩であることが多いのです。

性被害のトラウマを抱え、その記憶に怯え、トラウマ体験を被害者から加害者になることで、無意識に繰り返すことをします。そうやって、自分の過去のトラウマ記憶にのみ込まれないようにしています。

このことをトラウマの再演(イナクトメント、enactment)といいます。

性倒錯の治療方法

犯罪にからむ性倒錯の治療の代表的なものを上げます。

行動制限

性犯罪の行為を犯す引き金になるものを、自分の身から遠ざけます。盗撮であれば、携帯を持たない、痴漢であれば、電車に乗らないなど、行動の制限をかけます。

薬物療法

衝動を抑える薬や、男性ホルモン(アンドロゲン)を抑える薬が処方されます。それで過度な性的興奮、衝動的な行動を抑えていきます。

カウンセリング

主に認知行動療法心理教育を行います。

認知行動療法では自分の思考や行動のパターンを細かく調べていきます。また強い感情や性的な興奮、衝動的な行動を起こすことで、「本当は自分は何を欲していたのか」、を内省していきます。それからそれに代わる妥当な行動は何かと考えていきます。

心理教育では、性犯罪加害者が持っている心の傾向(被害者女性のことを考えず、自分の欲求を満たすことを優先させてしまう傾向)、性犯罪へ向かわせてしまう原因やきっかけのパターンを解説し、今までの考え方をどう変えていけばよいか、どう対処していけばいいかを解説します。

グループ療法

性犯罪加害者は、自分の加害の話を他所ではほとんどできません。そこで、加害者当事者が集まり、自分の苦しみや、辛さを語ります。その話は、グループ内の他の当事者に共感して受けて止めてもらいます。そこで孤独から癒え、肩の荷がおります。

またこのグループが自分の居場所になっていく事で、参加者の連帯感が生まれます。再犯してグループに出ているほかの人をがっかりさせたくないという思いが再犯防止につながります。

大崎セラピールームのカウンセリング

大崎セラピールームでは、性倒錯の方に、以下のようなカウンセリングを行っています。ここでは大まかなガイドラインを解説します。

環境の調整

本人と、再犯のきっかけになる物、場所を回避することを話しあいます。
痴漢であれば、電車に乗らない、満員電車に乗らない。盗撮であれば携帯を持たない、カメラの部分を使えないようにする、などを決めていきます。

依存症アプローチ

性倒錯(性犯罪)は、止めたくても、止められない行為なので、依存症と同じと考えています。

性衝動が起こるきっかけになったものはなにか、何が原因で行動を起こそうと思ったかを細かく聞いていきます。そこにはあるパターンがあるので、パターンを変えていきます。

本当は、性倒錯行為を行うことで何を手に入れたいのか、本当の自分の欲求は何かを探索していきます。

症状とは言葉にならない、自己主張ですので、性倒錯という行為でなにを訴えようとしているのか、自分の言葉で語ることで、自分が性倒錯で何を欲しているのか分かってきます。

グループ療法

再犯の抑止にもなるので、大崎セラピールームで行っているグループ(男性グループや性倒錯男性グループなど)(現在は休止中)や、必要であれば性犯罪当事者たちの自助グループに参加してもらうことを勧めます。

カウンセリングを受けるメリット

・再犯の防止になります。
・過度な罪悪感から解放されます。
・孤独感が癒されます。
・これからの自分の将来を建設的に考えられます。

カウンセリングを受ける効果

・性犯罪をしない期間が延びていきます。
・自分の強い性衝動に翻弄されず、コントロールしている実感があります。
・孤独感、苦しみが楽になっていきます。
・カウンセラーと再犯しないようするために一緒に考えて、実行することで伴奏をしてもらっている安心を感じられます。

費用

初回から6回くらい(2週間に一回、約3ヶ月、6万円)まで、カウンセリングが有効かどうかを見極める期間になります。(もしお役に立てないようであれば、適切な病院やカウンセリングやグループを紹介します。)
次に6回を目安にして、テーマを決めて、カウンセリングをしていきます。(例えば、衝動のコントロール、罪悪感、抑うつ、孤独などをテーマにしていきます。)

また必要に応じて、自助グループやグループワークの参加も勧めます。

性倒錯(性犯罪)をした方の家族の対応

性犯罪が分かった、そのご家族の混乱やショックはごもっともです。

「自分たちのショックや戸惑い混乱をどうしていいかわらない。」
「どう家族が本人に対応していいかわらない。」
「今後どうしていったらいいかわからない。」

ご家族が自分たちだけで問題を抱えて、解決するのは困難なことです。また本人の再犯防止のためには家族の協力は必要です。

対応の基本は、引きこもりに対する親のための対処法と基本は同じですので、参考にしてください。

大崎セラピールームでは、ご家族にもカウンセリングを行っています。

性倒錯(性犯罪)を止めたい方、対応に悩んでいる家族の方、大崎セラピールームにご相談ください。

性犯罪行為は本人もその家族も、人生を転落させてしまいます。


性犯罪の防止は、本人の我慢、努力だけでは困難です。

家族の協力、環境の整備、定期的なカウンセリングや自助グループの参加などが欠かせません。

今日一日、性犯罪を止める、という小さな達成の積み重ねの中にしか、防止はありません。

その伴走を大崎セラピールームさせていただきます。是非、ご相談ください。