片時も恋愛していないといられない、男性(パートナー)と付き合ってないと不安でしようがないといった状態になっていませんか。
付き合うパートナーにいつも傷つけられたり、同じようなタイプの人を好きになって、その人に振り回されたりしていませんか。

それは、恋愛依存に陥っているかもしれません。

アルコールやギャンブル依存は男性特有の依存症であるのと同様に、
恋愛依存は、女性特有の依存症です(同性のパートナーの場合も同様)。恋愛依存は、関係性依存と言われているもので、人間関係に依存している状態のことを言います。

今回は、恋愛依存の解説とその対処法を解説します。また、大崎セラピールームで行っている恋愛依存のカウンセリングをご紹介します。

恋愛依存とは?

恋愛依存とは、一人でいることが寂しくて耐えられず、いつも恋愛していないといられなくなる状態をいいます。

そのため、DVやハラスメントをするパートナーとでも付き合ってしまい、傷つけられる関係を繰り返してしまいます。

危険な男に一目ぼれしてしまう

アルコールや浮気、暴力などの問題がある男(パートナー)や、男尊女卑的で、プライドの高い、いわゆるヤンキータイプに一目ぼれしてしまいます。
一見、“男らしい”人が見せる、甘えん坊で寂しそうな所に、強烈に引きつけられてしまいます。

そのような男性を好きになってしまうと、DV(ドメスティックバイオレンス)を受けることも多く、身も心も傷つきます。いつも男に振り回され、ジェットコースターのような生活を送ります。
しかし、恋愛依存になる人は、優しくて、誠実な男性(パートナー)には魅力を感じません。そういうパートナーは平凡で、退屈に感じてしまい、恋愛をしている感じがしないからです。

結局、危険なパートナーと別れた後も、また同じような男性(パートナー)と付き合ってしまいます。

実らない恋をする

相手が妻帯者や、家族を持っている人ばかりを好きになってしまいます。初めは割り切った交際と考えて付き合いますが、相手が、「妻と別れて、お前と結婚する」という言葉を真に受けて、ずるずると関係が続いてしまいます。

初めは、年上の男性(女性)が見せる、落ち着きや、優しさ、心配りに、引かれます。しかし、そのうちに相手の不誠実さに気が付きますが、自ら関係を切ることが出来ません。

相手が本気になって、「家族と別れるから、一緒になろう」というようなことを言うと、途端に冷めてしまうケースもよく見られます。

尽くす女をしてしまう

アルコール問題や、暴力の問題を抱えていたり、経済的な能力のない男性(パートナー)に、あれこれ面倒を見て、お世話をし、尽くします。

問題のあるパートナーのことが頭から離れなくなります。そして、ああしろ、こうしろ、あれするな、これするなと指図し、その人をコントロールしようとします。

相手のことがつくづくいやだと思っていても、文句を言いながら、結局は世話をしてしまいます。憎んでいるのに、その関係から離れられません。このような関係を共依存と言います。

どうして恋愛依存に走るのか

恋愛依存は、人間関係の依存といえます。恋愛依存になってしまう原因のいくつかを解説します。

耐え難い寂しさ

恋愛依存になる人は、寂しい感情に耐えられません。成人であれば一人でいる事や寂しさをやりすごすことができますが、恋愛依存の人はそれが出来ません。普通の人の寂しさを、耐えがたい寂しさに感じてしまいます。

そのために、恋愛する時に感じる燃え上るような感情を手放せなくなります。

寂しさを感じるくらいなら、問題のある男(パートナー)に、振り回されているほうがよいと感じてしまいます。

支配・コントロール

男(パートナー)に尽くすことで、「自分は相手から必要とされている」、「自分がいなければ相手はダメになってしまう」という感覚に陥ってしまいます。寂しい人は、人から必要とされることで、初めて自分が認められると感じます。

恋愛依存の人は、わざわざ、ダメンズを好きになり、自分の愛情で、一人前の男に成長させることで、自分の力を実感しようとします。ダメンズを、ああしろ、こうしろと世話をし、支配・コントロールをしようとします。

恋愛依存の人の家族関係

耐え難い寂しさやパートナーの支配・コントロールは、幼少期の家族関係の中の傷つき体験から生じてきます。

耐え難い寂しさが、どのように幼少期の家族関係から生じてきたかを解説します。

耐え難い寂しさの原因

幼少期の家族で、主に母親から、十分な関心やケアを受けられていなかったことが考えられます。

元々赤ん坊というのは、耐え難い寂しさを感じているものです。それを母親が素早く察知して、おっぱいを上げたり、おしめを変えたり、よしよしして抱っこしてあげます。このような母子関係の中で耐え難い寂しさは癒されていき、寂しさの耐性が付いていきます。

成人になっても耐え難い寂しさを抱えているということは、幼少期にお母さんに十分な関心や養育を受けられなかったことが考えられます。

お母さん自身が、問題あるお父さんのお世話をし過ぎて、子どもへ関心が向けられなかったのかもしれませんし、夫婦喧嘩や父親の暴力が絶えなくて、子どもの安全を守れなかったことがあったかもしれません。

支配・共依存の原因

共依存の相手へのコントロールも、幼少期の家族関係に問題があることが考えられます。

例えば、「お父さんにアルコールの問題があって、お母さんと喧嘩をして、お母さんをよく怒鳴ったり、叩いたりしていた。」「「お母さんは泣きながらも、お父さんと別れることが出来なかった。」というような幼少体験を持っていたりします。

夫婦喧嘩が多い、不安定な家族で育つと、その親から受けた傷を、自分のパートナーとの関係で修復しようとします。

無意識に、自分の幼少期の心の傷を癒そうとして、問題のある男性(父親のような人)を、自分の愛や献身や支配で立ち直らせようとします。そして何回も失敗をして傷ついてしまいます。

恋愛依存の対処法

恋愛依存に対する、代表的な対処法、治療法を解説します。

認知行動療法

寂しさや、孤独を感じたときに、衝動的に、男性(パートナー)に連絡して、セックスをすることでその寂しさが癒えたとすると、孤独を癒す=セックスをするという、行動(セックス)と報酬(安心感)が結びついてしまい、それが嗜癖化しています。

さらに「ベッドに男(女)がいないと、眠れない」「彼氏(パートナー)がいない自分はみじめだ」という自分の生活に嗜癖行動が不可欠なように思い込んでしまいます。

それを認知行動療法によって、寂しい、みじめだと感じだときに他にどういう行動をとればいいか、他に自分を傷つけないでやり過ごす方法を考えていきます。

また、彼氏(パートナー)がいない女性はみじめだという、思い込んでいる認知を相対化させていきます。
「一人でも楽しく時間を過ごすことが出来る」「一人でいることは別にみじめではない」と違った考えがあることを学習していきます。

自助グループ

同じ恋愛依存に悩んでいる、女性たちの自助グループに通うことで、自分の話を親身に聞いてくれる体験(受容)できます。
「自分だけがこんなに苦しいのではないんだ」とホッとしたり、他の女性の話を我がことのように聞け(共感)ます。

また先を行く仲間がどうやって恋愛依存から抜けていったかの知識と経験を知ることが出来、将来にも希望が持てるようになります。

自分が本当に欲しかったものは、このような共感と受容と安全な自分の居場所なのだと気が付いていく事で、恋愛依存から離れていくことが出来ます。

恋愛依存の大崎セラピールームのカウンセリング

大崎セラピールームでは、主に、恋愛依存の背景になる、幼少期の家族問題(トラウマ)に焦点を当ててセラピーをしていきます。

トラウマセラピー

幼少期の傷つき体験を、丁寧に聞いていきます。そのような体験が、それほど辛かったか、怖かったか、悲しかったかを話してもらいます。そしてその辛かったのはもっともだった、と受容していきます(ナラティブセラピー)。

そして、その幼少期の自分と対話をしてもらい、共感をもって、幼い自分と和解をして、幼少期の自分を受け入れていきます(インナーチャイルドワーク)。

傷つけるパートナーから離れてジェットコースターのような人生から下りると、大きなうつ状態に襲われることが多くあります。

「今までの人生は何だったのか」「今まで何にこんなに頑張ってきたのか」「こんな人生生きていて意味があるのか」と人生が虚しく感じられます。

その苦しいうつ状態もセラピストと一緒に乗り越えていきます。

自分の感情を統合していきながら、これまで耐えがたかった寂しさを一人でいられる寂しさに変えていきます。

新しい人間関係の構築

今までの、自分を傷つけるような恋愛関係から、自分に適した、安全な恋愛関係や人間関係を構築していきます。

以前のような、ハラハラして振り回されるような関係が恋愛関係だと思っていたのが、平凡で退屈と思っていたパートナーの方が、自分を大切にしてくれて、安全な人間関係なのだと分かっていきます。

グループ療法

大崎セラピールームで開催している、女性クローズドグループやグループワークを提案して、参加してもらうことがあります。

そこで、同じように幼少期の家族で傷ついた体験のある人たちと、サイコドラマやエンプティチェア(父や母や恋人を、(想像上に)椅子に出して見て、その人と対話をしてみて、言えなかったことを言ってみたり、その人になってみたりする心理技法)を使って、幼少期に受けた心の傷を癒していきます。

メリット

セラピーが上手く働くと、以下のようなメリットが得られます。

・危険な人間関係と安全な人間関係の区別ができるようになります。
・何もない平凡な毎日が幸せに感じられるようになります。
・自分のための将来人生を考え、自分のために生きていけるようになります。

効果

セラピーが上手く働くと、以下のような効果が感じられます。

・寂しさをやり過ごすことが出来ます。
・一人でいられるようになります。
・パートナーに振り回されることが少なくなります。

費用

恋愛依存や共依存は、幼少期から築いた習慣や考え方なので、回復には、一定の時間(半年から1年、またはそれ以上)がかかります。また回復の道筋も人それぞれに異なってきます。

ここでは大まかな概算をご説明いたします。

まず、セラピストとの関係(ラポール、信頼関係)を築き、セラピーがクライアントにとって有効かどうかを決めます。その期間はだいたい3ヶ月(2週間に一回を6回、6万円)くらいを目途にしてください。

その次に、幼少期に傷ついたトラウマセラピーに3ヶ月(2週間に一回を6回、6万円)くらいを目途にしてください。

必要であれば、大崎セラピールームのグループワークの参加もお願いすることがあります。

そして新たな人間関係の構築、将来に向けての設計(キャリヤや恋愛)などに3ヶ月(2週間に一回を6回、6万円)くらいを目途にしてください。

恋愛依存に悩んでいる方、大崎セラピールームにご相談ください。

恋愛依存は、幼少期の時の親から受けた傷を、恋愛で癒そうとする無意識の働きです。
自分が親から愛されたかった、という思いを、恋愛で果たそうとしています。

恋愛依存をして、無理な自己治癒を行おうとしている自分を見て、少し立ち止まってみましょう。
猛烈な寂しさ、悲しさが襲ってくるかもしれません。それはあなたが子どものころに受けた時の悲しさや寂しさがそのまま残っているからです。

セラピーを受ける中で、こんなにもけなげに生きてきた自分に出会って、自分の過去を許し、これからの人生を自分らしく生きていこうと思えるようになっていきます。

大崎セラピールームでは、恋愛依存を乗り越えて、自分らしい生き方を送っていけるお手伝いをさせていただきます。