日常生活に支障が出ているのに、性行為(セックス)に囚われてしまい、自分自身の行動を止められなくなっていませんか。
風俗通いや、買春などを、止めたくても止めることが出来なければ、それは性依存です。
性依存は、自分一人の力で、止めることは困難です。専門家による適切な治療が必要です。
また、性依存には、心理カウンセリングは回復に有効に働きます。
ここでは、性依存に関しての説明と治療法を解説します。また、大崎セラピールームが行う、性依存に対するカウンセリングを紹介します。
性依存は、男性と女性では特徴やメカニズムに違いがありますので、男性、女性とに分けて解説します。
今回は男性編です。
目次
性依存とは?
性依存とは、風俗通いや買春に囚われてしまい、止めたくても止められない依存症という病気です。
性依存は、依存症の中でも、行為依存(他に、ギャンブルや買い物など)といわれているもので、依存する対象が性(セックス)に囚われている状態のことを言います。
性依存を繰り返すことで、妻に見つかって家庭が壊れたり、借金で生活が回らなくなったり、性病に感染し健康を害したりと、様々なトラブルを招いてしまい、人生に大きな支障をきたします。
ここでは代表的な男性の性依存をご紹介します。
性依存の種類
以下のあげる性依存の種類は、独身者、既婚者(特定の彼女がいる)の方、と区別なくみられます。
風俗通い
デリヘル、ソープランド、ファッションヘンルスなどの性風俗通いが止まらなくなります。
お金がないのに借金をしてまで通ってしまったり、性感染症になっても(彼女や妻に移してしまっても)、通ってしまいます。
またそこに勤めている女性を好きになって入れあげてしまい、性風俗から抜けさせてあげようと、借金をしてまで通い詰めてしまいます。
買春
出会い系サイトやナンパで知り合った女性にお金を払ってセックスをする買春が止められなくなります。
サイトで出会った女性と実際に合う時のドキドキやスリル、素人女性を相手にセックスできるかもしれないという期待と興奮、セックスをすることで、女性を征服したと感じる高揚感などで、買春が止められなくなります。
浮気・不倫
職場などで知り合った、大体は年下の女性との不倫や浮気が止められなくなります。
自分は家族があるにも関わらず、出来心で浮気をはじめてしまったのが、関係を止めることが出来なくなります。それがばれて、職場をクビになったり、家族が壊れたりします。
強迫的なマスターベーション
休日など、一日中アダルトサイトを見て、マスターベーションに耽溺します。
また、有料のサイトにハマってしまい、高額のお金を課金してしまうことがあります。
現在、ネットポルノ依存は深刻な依存症として認知されてきています。
性依存にはまるきっかけ
その依存する対象になるきっかけはたまたまであることが多いのです。
初めて風俗に行って、そこでの体験が「これだ! これが自分の求めていたものだ。」と感じてハマってしまうということが多くあります。
性依存の原因
性依存は依存症の一つです。原因はさまざま考えられますし、これ一つが原因だと決められません。
ここでは、代表的なものを解説します。
日常のストレス
自分は家族のために、仕事をして支えているのに、そのことを家族の人が理解してくれないと感じていると、風俗の女性のやさしい対応に、自分は大切にされていると感じて、はまってしまいます。
夫婦間のディスコミュニケーション
自分の仕事をがんばって、こんなに家族を支えているのに、妻からは評価されていないと思うと、優しくて、「すごい」といってくれる女性の対応に夢中になります。
それは無意識で妻に対する復讐の意味を持っていたりします。
中年の危機
男性が中年にさしかかると、体力、性的に衰え、外見が変わってきます(太る、頭髪が薄くなるなど)。また今まで体力任せで出来ていた仕事が、今までのやり方ではできなくなってきます。
男としての衰えを認めることが辛いので、否認します。自分は衰えていないと男性の力を証明するかのように、不倫や浮気をするということが起こります。
このことをCGユングは「中年の危機」(ミドルエイジクライシス、middle age crisis)といいました。
幼少期トラウマ
依存症の多くの原因の一つに、幼少期の家族からの不適切な養育(虐待やネグレクト)などが原因にあげられます。
母親から、暖かく接してもらったことがない、そのままのあなたが愛おしいというメッセージを貰っていないため、無意識に、優しい、なんでも受け入れてくれる母親を求めます。
その象徴が風俗嬢になります。風俗店では、お金を支払っているから、風俗嬢は優しくしてくれて、励ましてくれて、肯定してくれます。それを、本人は、幼少期に母親から欲しかったものを、すべて与えてくれる存在かのように感じてしまいます。
無意識では心から欲しかったものなので、その感覚に嗜癖してしまいます。
性依存の治療法、対処法
ここでは代表的な治療法・対処法を紹介します。
引き金になる場所を避ける
特に治療の初期には、ちょっとしたきっかけで欲望や衝動のスイッチが入ってしまうので、性依存に関わる引き金になるものを生活から除いてきます。
例えば、風俗であればその場所を避ける、携帯やパソコン内に登録してあるサイトを削除する、などします。
自助グループ
依存症は治らない病気と言われています。自分一人の力では治りません。依存症を抱えた人たちが集まる、12ステップの自助グループに参加して、回復をしていきます。
12ステップの自助グループに通い、同じ苦しみを抱えている人と、シェアリング(自分の体験の話を聞いてもらう)することで、今日一日、クリーン(性依存に関わらない)の日を伸ばしていきます。
認知行動療法
性依存にハマってしまっている時には、性行動をして、報酬を得ているわけですが、その報酬(相手も自分のことを好きでいてくれている、やさしくしてくれる、セックスが出来た、)にハマってしまっています。
その報酬を強く信じていて(認知が歪んでいる)、それが日常生活に欠かせないもの(依存すること)になっています。
その固く信じた信念(認知)が、どんな引き金があって、行動(衝動)に結びついているかを、細かく見ていくことで、認知と行動を変えていきます。
ソーシャルスキルトレーニング
原因のところでみたように、性依存になる前に、何かのストレスを抱えていることが多いので、それを、自分で抱え込んでしまわずに、相手に、Iメッセージで伝えることをロールプレイなど使って習得、実践していきます。
例えば
「そういうことを言われると、ボクは腹が立ちます。やめてもらっていいですか。」
「そういうことを言われると、ボクは悲しくなります。」
「これ以上やると、自分が我慢してあなたに怒りが沸いてくるので、お断りします。」
「これがわからないので、教えてもらっていいですか。」
状況に合わせた、ロールプレイを練習していきます。
大崎セラピールームのカウンセリング
大崎セラピールームでは性依存の方に、以下のようなカウンセリングを行います。ここでは大まかなガイドラインを解説します。
環境の調整
依存症の再発の防止には、環境の調整が欠かせません。本人と話し合って、風俗のある地区を避ける、パソコンや携帯に登録してある、風俗のサイトを消すなどして、行動の引き金になるものを、身の回りから遠ざけておきます。
認知の修正
性依存行為に行く、因果関係を一緒に考え、セックスに依存することで、得ていた報酬は何かを話し合います。
依存症は、依存することで、誤った解決策を自己処方してしまいます。
その因果関係のゆがみや、誤った報酬に気づき、行動を変化させていきます。
夫婦のコミュニケーションの改善
性依存をしていることで、無意識に、妻に対して、怒りを表現しているということがあります。
「こんなにがんばっているのに認めてくれないから、浮気をすることで、妻に分からせたい」ということを無意識に表現していることがあります。
自分の怒りや、不満を、行動で表現するのではなく、言葉で表現するにはどうしたらいいか一緒に考えていきます。
幼少期の母親との関係の傷つきをセラピーする
幼少期に母親との関係に傷つきがある場合、性に依存することで、母親の関心や愛を貰う代替行為をしていることがあります。
本当は母親からの暖かい抱擁、優しい笑顔、なんでも「うんうん」と聞いてくれる関心が欲しかったのに、そういうものを貰えなかった時に、風俗や浮気をすることで、相手の女性から、欲しいものが満たされた気分になります。
しかしそれは、誤った満足なので、何回風俗に通っても、本当に欲しいものは手に入りません。
セラピーを通して、母親から貰えなかったものを見つめ、喪失を嘆き、断念を受け入れる、グリーフワーク(嘆きの作業)をして、傷ついた心を癒していきます。
グループ療法
依存症からの回復には、グループ療法が効果的です。恥と思って誰にも言わないで、隠しておきたい自分の性依存のことを、自分と同じ悩みを抱えている人に対してであれば、悩みを話すことが出来ます。
抱えていた悩みを正直に話し、共感をもって受け入れてもらう体験をして、肩の荷が下りていきます。
そして、グループに参加している人達と共に、今日一日回復して行こうと思えるようになります。
大崎セラピールームでは、本人と話し合って、必要であれば、性依存の自助グループに参加してもらいます。
メリット
カウンセリングが有効に働くと、以下のようなメリットが得られます。
・性依存への再発防止に役に立ちます。
・セックスに囚われない生活を送れるようになります。
・家族と親密な人間関係を、新たに作っていくことが出来ます。
効果
カウンセリングが有効に働くと、以下のような効果が感じられます。
・風俗通いが止まっていきます。
・焦りや不安が減っていきます。
・風俗に通わなくても、平安や安心を感じられるようになります。
費用
初回から数回のカウンセリングで、カウンセラーとの信頼関係(ラポール)を築き、このカウンセリングが本人の回復に役に立つかを見極める期間になります。(2週間に1回、約3ヶ月、6万円)
それから自分の課題やテーマについて話し合って、取り組んでいきます。(例えば、衝動のコントロール、認知の修正、夫婦間の葛藤、幼少期のトラウマなど)(大体、6回を目安に取り組んでいきます。)
性依存に悩んでいる方、大崎セラピールームにご相談ください。
性依存は依存症の一つです。自分の意志の力だけでコントロールすることは困難です。
自分の言いたくてもいえないこと、あるいは、抑圧してしまって感じてもいない無意識の欲求を性依存という行為で表現しています。
その意味を自分の受け取り、肯定してあげれば、性依存をする必要はなくなります。
それは、分かってくれない妻への怒りだったり、自分が衰えることの恐怖だったり、幼少期に母親に言いたくても言えなかったことかもしれません。
大崎セラピールームで、無意識に語られていることを、言葉にしてもらい、お話を聞くことで、性依存からの回復のお手伝いをいたします。